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頭でっかちではなく、実際に経営の実務経験があるトップコンサルタントならではの知見が詰まった書籍。自分で素早く正しい判断を下すための41のヒントは単なるノウハウではなく、その先にあるビジョンまで見据えています。

なんとなく人生を生きている人へ

突然ですが、あなたは経営者ですか? 「いや、私は経営者じゃないですけど……」と思った人に質問です。では、あなた自身の人生は、誰が経営していますか? 「そんなことは考えたこともない」とか、「深く考えずに、ただなんとなく生きている」という人も多いのではないでしょうか。 経営というと、会社やお店をイメージする方が多いかもしれません。でも、 じつは自分の人生も、お店や会社と同じです。 きちんと経営しないと、自分自身が成長しませんし、自分の夢をかなえることもできません。 また、経営に失敗すれば、倒産(破綻)してしまうかもしれないのです。 では、あなたの人生を経営しているのは誰でしょうか? あなたの親ですか? あなたの学校の先生ですか? あなたが勤めている会社の社長でしょうか? 違いますよね。 あなたの人生の経営者はあなた自身。 あなたが自分の人生の経営者 なのです。 まずはこのことに気づくことが大切です。 しかし、自分の人生の経営者が自分自身であると気づいただけでは、ほとんど何も変わることはありません。 なぜなら、経営者がすべきことが何かを知らなければ、経営者としての行動ができないからです。自分の人生を自分自身で経営するために、まず経営者がいったい何をする人なのかを本質的に理解することが必要なのです。

最近ではセルフブランディングなどが浸透しつつあり自分自身が人生をコントロールする経営者という考え方は徐々に一般的になってきている。それでもまだ自分が経営者?と懐疑的な思いをぬぐいきれない人が大半かと思います。例えばあなたが会社以外の名刺を作るとなった時、そこになんと書きますか?仕事人間で仕事で手一杯だとそこに書くことに悩むかもしれません。しかし、この本にあるように決断して物事に挑むようになると自然とそこに書くべき自分が際立って見えてくるようになります。

目的が曖昧

目的が明確に決まっていないために決められない、というケースもあります。 たとえば、将来、サッカー選手になりたいのか、野球選手になりたいのかによって、トレーニングの方法は全然違ってきます。 だから、仮にトレーニングをしようと思ったとしても、どんなトレーニングをすればいいのかが決められないわけです。 勉強もそうですね。将来、医者になりたいのか、弁護士になりたいのかによって、勉強すべき内容は変わってきます。また、目的がはっきりしないから、行くべき大学も決められないわけです。 もっと身近な話でいうと、ダイエットもそうでしょう。 ただ漠然と「やせたい」とか「ダイエットしなきゃ」と思っている人は、いつまでたってもダイエットをするという決断ができません。 何のためにダイエットをするのかという目的が明確になっていない人は、なかなか決断できない のです。 さらにいうと、仮にダイエットをするという決断をしたとしても、「いつまでに、何キロやせる」という目標が明確になっていなければ、どんな方法でダイエットすればいいかを決めることができません。 ちなみに、目標は目的を達成するための通過点ですので、目的が決まらなければ目標も決まらないのです。

ダイエット経験者ならわかると思うが体重の目標だけ決めてもダイエットは挫折しがち。例えばスキニージーンズをカッコよく履きこなすためにダイエットするという明確な目的があれば意外とダイエットは成功します。ダイエットの過程で買っておいたスキニージーンズを履いてみてあともうちょっとで履けるとか目的に近付いているのが実感できるからです。ダイエットに成功したらそれを維持するためにそのスキニージーンズが履けなくなるほどリバウンドしないよう定期的にそのジーンズを履いてみる。そうするとそろそろヤバイとアラートがわりになってくれます。僕の場合ウエストがギリギリのサイズのテーパードパンツがそれです。ちょっと高めのものを用意するともったいなくて履けなくなる危機感から、リバウンド防止に役立ちます。

与えられた目の前の仕事に全てを捧げる

どうすれば自分の使命や役割に早く気づくことができるのでしょうか? それは、 与えられた目の前の仕事を本気でやることです。もしかすると、その仕事はあなたの使命や役割ではないかもしれません。 その場合は、本気でやっても結果が出ないことでしょう。そうすると、あなたはその仕事から外され、また別の仕事をすることになります。 そうしたら、またその仕事を全力でやってみる。それを繰り返すことによって、自分の使命や役割に出会えるのです。決断できる人は、そのことを知っているので、目の前のことに本気で取り組むのですが、決断できない人は、そのことがわかっていないので、大きなことばかり考えて、目の前の小さな仕事には本気で取り組もうとしないのです。 たとえば、イチロー選手は野球をすることが、彼の役割であり使命です。 しかし、イチロー選手は生まれてから、野球だけしかしてこなかったわけではありません。縄跳び、かけっこ、卓球、サッカーなどなど、いろいろなスポーツをやってきたと思います。 その中で、イチロー選手は野球にたどり着いた。つまり、イチロー選手が子どものころに縄跳びが面白くないからとスポーツをやめてしまっていたら、今のイチロー選手はなかったわけです。多くの人は、すごい決断をしなければ自分の人生が変わらないと思っています。 しかし、「一大決心」といった大げさなものではなく、 目の前の小さなことを本気で決めていくことが、人生を変えることにつながるのです。

目の前の選択肢の中から自分が一生懸命になれるものを探すこと。ここで「決める」ことで優柔不断から解放されます。

なかなか自分で決められない人の思考回路を決断の連続で決められる人へ導く書籍。