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ある日の事故で下半身不随になった著者。事故にあって良かったとは思えないけれど、車いすでの最高の人生、歩けたらもっと最高の人生と思うことで乗り越える。体が不自由なことで起こる暇を楽しむことで日々を充実させていきます。読めばあなたも強くなれます。

アイドルになりたい

「アイドルになりたい」 私がそう決意したのは、 21 歳のとき でした。アイドルを目指すには遅い年齢 です。もともと子どもの頃から可愛くてキラキラしたアイドルを見るのが大好きで、小学生の頃はモーニング娘。の加護(亜依)ちゃんのファンでした。高校時代は AKB 48 が好きで、よくテレビで見ていました。ただ、漠然と憧れはあったものの「自分もアイドルになる!」と一歩踏み出す勇気はなく、純粋にアイドルを応援することを楽しんでいました。みんなに「 AKB に入りなよ!」などとすすめられるような、 クラスのアイドル的な存在でもありませんでした。だから高校卒業後の進路は、 4 年制の管理栄養士の専門学校を選び、管理栄養士の資格をとりました。子どもが好きだということや、数々の校外実習の中でも小学校での実習がいちばん楽しかったことから「小学校の栄養士になりたい」 と思っていました。給食の献立をつくるのが夢でした。家族みんなが公務員だったので、公務員に憧れもありました。小学校で働く栄養士になるためには、管理栄養士の資格を取得するだけでなく、自治体の職員採用試験にも合格しないといけません。ところが 私は、この採用試験に不合格となってしまいました。とはいえ、管理栄養士として病院や企業などに就職するという選択肢もあったし、アルバイトなどをしながら翌年の採用試験で再起を期すという方法もありました。でも、そこで「私が本当にやりたいことって何だろう」 と考え込んでしまったのです。そうしたら 不思議なことに「私、やっぱりアイドルをやってみたい」という思いが浮かんできた んです。それまではきっと、 アイドルを応援しながらも「自分もアイドルになりたい」という気持ちに 蓋 をしていた のだと思います。就職活動につまずいたことで、その蓋が開いたのでした。「やるなら年齢的に今しかない」「今を逃したら一生できない!」そう思うと「絶対にやりたい!」「どうしてもやりたい!」という気持ちが、どんどん高まってきてしまいました。
───「年齢制限オーバー」なアイドル
そこでネットでアイドルのオーディションを探してみました。すると、どこも「18歳まで」「20歳まで」といったように年齢制限があるのです。「16歳まで」というところもありました。「21歳はさすがにダメかぁ……」半ばあきらめかけたときに偶然、目に入ったのが「26歳までOK」という奇跡の一文。それが、仮面女子を擁する事務所である「アリスプロジェクト」でした。だから本当に仮面女子には失礼な話なのですが、最初から「仮面女子になりたい」「仮面女子に憧れて」というのではなく、私の条件でも応募可能だったのがアリスプロジェクトしかなかった……というのが本当のところです。

最近では僕の登録しているライブ配信系アプリでも数多くのオーディションが行われていて、僕の応援する一般人の女の子がアイドルデビューしたり駅の巨大ポスターになったり、仕事を得るための手段として確立しつつあります。ライブ配信アプリで人気を集めるにはやはりトーク力や外見が求められますが、とりあえず毎日配信していれば一定数のファンはつくものと思います。一般のアルバイトと同じぐらいの時給を得るにはそれなりの配信時間の確保が大事で、アプリによっては配信を休むとランキングが下がって収入減になる場合も。様々な救済処置があるものの、基本毎日配信できないと一定の収入を得るのは辛いのが現状です。最近ではコロナの影響でライブ配信アプリが活況で配信者のレベルもだいぶ上がってきています。ブルーオーシャンを求め新しいアプリを渡り歩く人もいますが、やはり大手は運営サイドがしっかりしているのでお勧めです。

人よりすごいものが何か一つでもあれば

まず武井さん自身のケガの話。武井さんは十種競技の選手時代に大ケガをして、背骨を傷め、お医者さんから「一生歩けない」と宣告されてしまったそうです。それでも「ストレスで胃潰瘍になるというのなら、逆も絶対にイケるはず!」と信じて「自分の骨は正常になる」とイメージし、本当に完治させてしまったそうです。「あっ、そうか、それなら私もいつかは治る!」 と素直に思うことができました。そして芸能生活9年目で花が咲いたという話……。武井さんはタレントに転向するとき、バーで芸人さんのトークを録音して、それを聞いてマネして喋ったり、合いの手を入れて話術を磨いたそうです。売れっ子になった今でも、1日3時間、筋トレや自分の知らないことを勉強する努力をされているとおっしゃっていました。売れるべくして売れた人なんだと思いました。私の今後についてのアドバイスもしてくださいました。「何かひとつでも人よりすごいものがあれば、それを武器にできる」「だから車椅子になったことも、ひとつの武器と思って、それを最大限に活かせばいい」この力強い言葉は、その後もずっと私を励ましてくれています。「僕の今の価値は、皆さんからの頂きもの。武井壮のエンターテインメントを面白いって思ってくれる人たちがいてこそ。だから次は僕が贈る番だから」と、車椅子を贈ると約束してくださいました。カッコよすぎる言葉にしびれました‥‥。

人より秀でたこと自分には何があるだろう?案外自分が気づかないところにそうした優れた才能があるやもしれないので自分には何もないと悲観することはありません。

実際に不運に見舞われて障害を負った人の話は重みがあります。100%前向き思考を手に入れられれば、今置かれている状況がどんな状況であろうと頑張れます。僕も統合失調症を患って世間的には障害者ですが、毎日楽しくやっています。自分の居場所を見つけられない人にはぜひ読んでみてほしい一冊です。