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部下に任せるより自分でやったほうが早いと仕事を抱えがちな上司におくる、仕事を任せるためのノウハウ本。成長している会社はアルバイトのマネジメントがうまい。仕事の大半をアルバイトに任せてうまくいく方法をレクチャー。

アルバイトに仕事を任せるための心構え

そもそも、社員だからとかアルバイトだからとか、その発想がナンセンスです。相手を所詮アルバイトだからと考えれば、当然彼らも自分は所詮アルバイトだからと考えます。相手をアルバイトだろうが社員だろうが、社会人として一緒だと考えれば、彼らも社会人としての努力をするだけの話です。つまり、教える側の考えがすべて伝わるのです。言い換えれば、もしあなたの周りのアルバイトやパートが育っていないのであれば、それはあなたの責任なのです。才能を活かすも殺すも上司次第。人を扱うからには、必ず心の中に刻み込まなくてはいけない事実です。まだ若い方には、この考え方は、少し難しいかもしれません。でも、安心して欲しいのですが、これを書いている私も、そんな風には簡単に思えませんでした。というよりも、今でもそんなことができているわけではありません。

積極的にアルバイトに権限移譲していくとアルバイトにも責任感が生まれやる気を出してくれることも。その際注意しなくてはならないのが普段の社員の動き。上司がいい加減だとアルバイトも真似します。上司に習っていい加減な仕事をすることが多いのです。普段から社員は襟を正して仕事をしなくてはアルバイト教育はうまく行きません。

給料がいらない人ってどんな人

どんな仕事でも身銭を切れる人、リスクをとる人は、仕事ができる人が多いと感じています。特にリーダーとして必要な能力であるとも感じています。要は自己犠牲の気持ちがある人です。これは、年齢や立場に関係なく、性格のようなものではないでしょうか。究極が、給料をいらないと平気で言える人。サービス残業を促すと批判があるかもしれませんが、サービス残業をさせられている人ではなく、自らする人というのでしょうか。アルバイトでも、仕事が終わってからも、平気で手伝ってくれる人がたくさんいます。手伝いますと気持良く言ってくれる若者たちです。自分もアルバイトのときにサービス残業はかなりしたほうだと思います。時間で働くアルバイトにとっては、かなりのサービスだという認識もありました。そのときの自分の心情は色々ありますが、共通するのが、 「このお店が好きだから」「この店長が好きだから」「この担当者が好きだから」。この気持ちがないと、1分たりともサービス残業なんてありえませんでした。それこそ、お金をもらっても残業するのも考えてしまいます。そして、共通するのが、そのお店なり、店長たちは、その言葉に甘えるだけの人たちではなかったということです。アルバイトであっても社員であっても、サービス残業は法律で禁止されている行為です。ただ、法律的な問題以上に大きな問題なのは、その行為に甘えている会社や担当者だと思うのです。人の好意にそのまま甘えて、何も対応しないことが問題になると思うのです。私の立場で言えば、「残業代いらないですよ」と言ってもらい、現場に残ってくれたアルバイトに感謝の気持ちと一緒に、あとで残業代を払ったり、その仕事で払えなければ別の仕事で払ったり、それこそ、個人的に食事に連れて行ったりと、何かしらの感謝の形で返すことが大切なのではないでしょうか。持ちつ持たれつの関係というやつです。人の好意を当たり前にしてしまってはいけないのです。

身銭を切れるかどうか。仕事に対する姿勢はこれにつきます。サービス残業を推進するわけではなく、進んで働きたくなる環境を整えること。残業代の未払いは違法なのでその辺との兼ね合いが難しいですが。

ソーシャルメディアの炎上事故防止の仕組み

アルバイトがコンビニの冷凍庫に入った写真をネットに上げてしまった事件や、ラーメン屋のアルバイトが販売する食品をくわえて悪ふざけをする写真をネットに上げた事件などは、テレビのニュースにも大きく取り上げられたので有名です。しかし、メディアで取り上げられたものはごく一部。見えないところでは、数多くの問題があるものです。我々のような仕事をしていると、ニュースに取り上げられるほどのことはなくとも、クライアントからクレームとして問題になることは珍しくありません。アルバイトが新商品の悪口を書いてしまったという典型的なものもありますし、少しでも宣伝になればと思って、仕事風景を撮影してインターネットに上げた写真に写っていたお客様から、勝手に投稿されたとクレームが入ってしまい、大きな問題になったと聞いたこともあります。自分の意図とは違う反応が返ってくることがあるのが、インターネットの怖いところです。弊社では年間18000人のスタッフ手配をしていますが、おかげさまでソーシャルメディアが原因での問題は起きたことがありません。人を扱う以上、100%大丈夫ということはありませんが、少しでも100%に近づける努力をしてきました。弊社の対応策は2つの視点で考えています。1つは非常に一般的。 ルールを明確化して、契約書を交わすことです。大企業では当たり前かもしれませんが、中小企業では、意外とアルバイトとの契約書を交わしていないところが多いことに驚きました。どんな仕事でも、どんな勤務業態でも、ソーシャルリスクはもちろん、個人情報についてなど、リスクとなることについては、書面での契約は必ずしなくてはいけません。これは、彼らを信じていないということではありません。

今は炎上回避するためにもソーシャルリスクにはきちんと向き合うべき。採用時からSNSへの投稿については厳しく指導する必要がある。

サービス業では店長以外全員アルバイトという職種も多いのではないだろうか。そんなバイトが溢れる社会でうまくオペレーションを行う術をレクチャーします。