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キャスターとしての経験から相手の心をひらく会話術を披露。様々なシーンで一体何を話せば?という疑問に答える50の実践集。

初対面の人の心を3秒でつかむ方法

ある有名企業の経営者の方が、胸ポケットに変わったボールペンを入れていました。 やはり経営者となると、有名なブランドで重厚な仕様の高級品を持っている方が多いのですが、その方のペンは、〝おでんの竹串〟ほどの超極細の銀色の珍しいペンでした。「何かのこだわりがあるかもしれない」と感じた私は本番直前に、そのペンのことについてお尋ねしてみました。 すると、「ブランドは関係なく、できるだけスリム化したものを選び、愛用しています。軽くて場所をとらないし、しかも書きやすくて便利なんです」とのこと。無駄を排し、合理的に物事を見る経営信条が垣間見え、その後の本番で非常に役立ちました。 特に、ネクタイは話題の宝庫です。くまモンにスターウォーズ、歴代米大統領の似顔絵ネクタイ。私が目に留め、会話のきっかけにしたネクタイは挙げたらきりがありません。 「ネクタイの色は会社のブランドカラーに決めている」という経営者も少なくなく、 ネクタイは男性のこだわりが集約されやすい持ち物の代表 といえるでしょう。 ピンバッジにも要注目です。 ある大学教授は、鉄道が趣味。お会いするたびに、ピンバッジはいつも多種多様な電車や新幹線のデザインでした。 「今日は何の列車ですか?」とお聞きするのが会話の始まりでしたが、小池百合子知事の都政改革をテーマにお呼びしたときには、なんと東京都営の地下鉄車両のピンバッジだったのには、ビックリしました。

会話の入りとして身につけているもので話題作りをするのは効果的。しかし、僕のようなコミュ障の人はこれがめっぽう苦手。でも安心してください、相手をよく観察する習慣をつければ相手の小さな変化にも少しづつ気付けるようになります。SNSが幅を利かす世の中でリアルなコミュニケーションが苦手という人も多いかと思います。最近ではテレワークなど動画でコミュニケーションを取る機会も増えているので、矯正するのに役立ちます。

うなずき上手は聞き上手

大きな声、大きな動作、高い頻度での「はい」や「うん」。いずれも本人にとっては〝丁寧にうなずいている〟のであり、「あなたの話を聞いていますよ」というサインなのかもしれません。しかし、その大半は不快な印象を持たれかねないでしょう。 よいうなずきとは、誠実さが伝わる、控えめなうなずきだと思います。 ですから私は、人の話を聞いているときは、なるべく控えめなうなずきをしようと心がけています。 複数回うなずくのではなく、話が一区切り終わったところで、相手の目を見て、大きく、ゆっくりと1回。相手の言葉を飲み込む感じです。 「はい」「うん」などの言葉を発する場合は、控えめに、声のトーンを落とすといいと思います。そのほうが相手に対し、「自分の話を理解してくれた」「受けとめてくれた」「話を楽しんでいる」というメッセージがしっかりと伝わります。すると相手も気持ちよく話して、会話が「ほんわか」と盛り上がってくるでしょう。

僕のように相手の顔色を伺いながらしゃべる癖があると、このうなずきに対しても過敏に反応しがち、過度にうなずくのはどうかと思います。バランス感覚を持ってきちんと相手の話を聞いてうなずくことをお勧めします。

自慢話より、シクジリ話

雑談で迷ったなら、自慢話より、断然シクジリ話のほうがいいと思います。 自分の欠点や失敗をさらけ出す、いわゆる「自虐ネタ」。私のような関西人の会話では日常的に登場しますが、場を和ませる効果は絶大です。 関西人の私には、自分が失敗すると、「あ、しまった」と思う反面、「おいしい!」と思って、誰かに話すネタにしよう、とする習性があります。ここだけの話ですが、忘れないようエピソードをメモしておくことまであります。 単に笑いをとりたい、という関西人のサガかもしれませんが、誰かを傷つけるのではなく、自分を落として、相手との距離を近づけ、即効「ほんわか」をつくり出せる、会話のテクニックでもあります。 とはいえ、関西人のように、日常的に自虐ネタをおもしろくしゃべろうと思っているわけではない方が自虐ネタを話し出すと、悲壮感や必死感が漂ってしまって、周囲がドン引き。場が一気に冷え込んで逆効果、という現象を生みます。 なので、 単に、自慢話よりはプチ・シクジリ話、と意識するだけで大丈夫です。 道を間違えた、電話をかけ間違えた、スカートがパツンパツンで張り裂けた、朝急いではいた靴下が左右違っていた……。私など、「眼鏡がない!」って探していたら、自分の頭の上にのっかっていたなんてことはよくあります。最近はスマホで電話中に、スマホを探していたりします。 こうした「私、しくじっちゃった」という、日常の小さな失敗エピソードは誰にでもあるはず。笑いをとろうとまでしなくても、プチ失敗談でよいのです。 自分をオープンにすることで、身構えていた相手の心のハードルがぐんと下がって、親近感や共感が増すのです。特に初対面では効果大です。 そして大事なポイントは、笑いのネタにするのは自分や自分の家族であること。 決して他人を落として笑いのネタにしないのが鉄則です。

何か自己アピールしてくださいと言われると、僕のような人間は特に人より優れたエピソードのようなモノがないため困惑してしまいます。でも失敗談や統合失調症での入院談は鉄板ネタとして機能しています。相手の心を掴むのには失敗談や比較的恥ずかしい話の方が盛り上がります。

相手の興味を引き心を掴む、そして信頼させるためのステップを紹介。聞き方、話し方はテクニックなので誰でも磨けば光り輝くことができます。