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人生における様々な行きづまりを「デザイン思考」で解消する。障壁にぶつかった時にそれを乗り越える解決策を導き出す素地を生成。デザイナー目線の思考法とその実践法を紹介。

疑問の見方を変えると答えが見えてくる

視点の転換(=リフレーミング)は、デザイナーのもっとも大事なマインドセットのひとつ。偉大なイノベーションの多くが、視点の転換から始まる。デザイン思考ではつねづね、「問題を出発点にするな。人間を、共感を出発点にしよう」と言う。いったん製品を使うひとびとに共感したら、視点を定め、ブレインストーミングをおこない、目の前の問題の不明点を洗いだすためにプロトタイプをつくりはじめる。その結果、たいていは視点の転換につながる。問題に関する新しい情報を集め、視点を定めなおし、またブレインストーミングやプロトタイピングをはじめるわけだ。たとえば、最初は製品(新しいコーヒーブレンド、新しいタイプのコーヒーマシンなど)を設計しようと思っていたが、途中でコーヒー体験のほうをデザインしなおすべきだと気づき、視点を切り替えることもあるだろう(スターバックス)。または、貧困を解決するため、(世界銀行のように)裕福なひとびとにお金を貸すのをやめ、お金を返せないくらい貧しいひとびとにお金を貸すと決めるかもしれない(マイクロクレジット、グラミン銀行)。あるいは、ポータブル・コンピューティングの体験を全面的にとらえなおし、iPadを考案することもあるだろう(アップルのチーム)。ライフデザインでも、このような視点の転換をたくさんおこなう。なかでも最大の視点の転換は、 「人生を完璧に計画することなんて不可能。人生に唯一の正解なんてない。だからこそ人生はおもしろい」 というものだ。あなたの人生のデザインは一通りではないし、その一つひとつに、人生に生きがいを与えるような希望が詰まっている。人生はモノではなく、体験だ。その体験を自分でデザインして楽しむこと──それこそが生きる楽しみだといえる。

リフレーミングを日常的に行うことができるようになると、思考の幅は一気に広がります。みんな大好きブレインストーミングでもこの視点の転換により良いアイデアが浮かびやすくなることでしょう。人生におけるリフレーミングができるようになるとその一つ一つの体験を自分でデザインし直すことが可能になり人生の岐路に立った時、その選択肢の幅が広がります。人生を豊かなものにしたいのなら選択肢は多い方がいい。体験をデザインして楽しもう。問題解決が楽しくなってきたらあなたにもデザイン思考が身についてきた証拠です。

何通りものベストな自分を受け入れよう

あなたの人生をデザインするもっとも有力な方法のひとつはなにかそれはあなたの人生たちをデザインすることだ。この章では、あなたの今後五年間の三通りの人生──それを「 冒険 プラン」と呼ぼう──を想像し、書きだしてもらおうと思う。あなたの今後五年間の三通りの楽しい人生が、あなたの頭のなかのシネマコンプレックスのスクリーンにパッと映しだされるかどうかはともかく、あなたのなかに、まったくタイプが異なり、それでいて現実味のある人生の可能性が少なくとも三通りあるのはまちがいない。だれだってそうだ。わたしたちが指導した何千人というひとはもれなくそうだったから。だれのなかにもたくさんの人生が眠っている。あなたがどんなライフ・ステージにいるとしても、三通りくらいなら確実にあるだろう。もちろん、いちどに生きられるのはひとつだけだが、クリエイティブで建設的な選択をするためには、何通りもの人生を思い描くことが必要なのだ。三通りのまったく異なる人生プランを思い描くのは、たいへんだと思うかもしれないが、必ずできる。わたしたちが指導してきたひとびとはみんなできた。だからあなたにもできるはずだ。すでにこれというプランがあるひともいるだろう。それはそれでOK。すでに実行に移していて、順調に行っているプランがあるひともいるだろう。それもそれでOK。それでも、だまされたと思って、三通りの「冒険プラン」を立ててみてほしい。すでに人生の唯一のプランができあがっていて、答えがみんなわかっていると思いこんでいるひとにこそ、この演習が最大の効果を発揮することもあるからだ。

何か人生の岐路に立った時二択ではなく三つの選択肢を持つことで結果が異なってくる。あなたの人生をより豊かにするために常に三つの選択肢を考える癖をつけよう。二者択一では得られなかった答えがあなたの人生の選択を有意義なものにするだろう。プランを作る際にはAは最高のプラン、Bはまあまあのプラン、Cはいざというときの予備のプランと格付けしないようにするのがポイントです。

手に取りやすい文庫版で名著が復活。人生いくつになっても、様々な選択を迫られるシーンはあります。その際に最良の選択をするべく人生デザインができればいいですよね。そんな人生におけるデザイン思考を育む書籍。