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「心が疲れる」というのは誰にでもあることです。ほどなく回復し、元気を取り戻すことができればいいのですが、簡単には「心の疲れ」がとれないことがあります。本書は、精神科医として、「心が疲れた人」と長年向き合ってきた著者が、つらい思いを癒すために、周囲はどう対応したらいいのか、本人はどう対処していくのがよいのかを語りました。大学へ行っても友達が一人もいなくて、孤独感に苛まれている人出世コースから外され、自分はダメな人間だとの思いに縛られ、心に変調をきたしてしまった人夫婦関係の寂しさから、ギャンブルをやめられなくなってしまった人好きな人との別れを乗り越えられず、延々と思い悩んでいる人自分の子をかわいいと思えず、育児ノイローゼになってしまった人…誰にでもおこりうる状況から、いかに立ち直るか、心に疲れをためこまないようにするにはどうしたよいのか、現代を生きる人に必須のアドバイスです。

友達が一人もいない

実は、「おまえ、いつも一人だな」と言われたときの答え方次第で、簡単に相手と自分の関係を逆転することができるのです。たいていの人はそう言われると、正直に「はい、人づき合いが苦手ですから」などと答えます。このような、自分から壁をつくってその中に逃げ込むような答え方は、自分の立場を悪くするだけで、せっかくのチャンスをみすみす逃すことになります。こういう場合、「私は一人のほうが、気が楽なんです。私は私ですからどうぞお構いなく」と、同じ「逃げる」でも自己主張を堂々として、相手を追い払う答え方をすればいいのです。 そうやってはっきり自分の考えを主張できる人だと認められたら、相手は軽蔑しなくなりますし、もう近づいてこないか、つき合い方を変えるでしょう。

僕も友達と呼べるような人は一人もいない。SNSでゆるくつながっている人もカウントすればそれなりに友達もいると言えるのでしょうが、リアルで繋がっている人はゼロだ。SNSのなかでもLINEはやっていないので、InstagramとかのDMでLINEしましょうと誘ってくる人がたまにいるが40過ぎのおっさんに近づいてくる人なんて、なんか怪しいのでいつも「LINEやらない系おじさんなんで‥‥」と断ると相手も納得してくれる。

生きがいを見つけられない

人間は、自分の欲望が満足したときに喜びを感じ、楽しいと感じるものです。例えばおなかが空いたときにおいしいものをたくさん食べれば満足し、その瞬間、喜びを感じるでしょう。人間の欲望には、このような生理的な欲望から、自尊心を満足させたい、人に喜んでもらいたい、ものを創造したいというような高いレベルの欲望まで、さまざまな欲望があります。ですから人間は、人が喜べば自分も喜ぶし、創造の喜びも感じることができるのです。しかし、現代では子どもたちが何かを欲しいといえば親がすぐに買ってくれるので、簡単に欲望が満たされてしまいます。そのため、若い人たちは欲望が満たされてもあまり喜ばなくなっています。あまりにも簡単に欲望が満たされるために、一つの欲望が満たされればさらに次も、というように、「もっともっと」と欲しがるか、あるいは欲しいものがなくなってむなしさを感じてしまうのか、両極端なタイプの人たちが増えています。彼女のように「もっともっと」と愛情を追い求めるタイプは、現代の青少年に増えている「ボーダーライン」の人によく見られます。「もっと自分を愛してほしい」という欲望が強いのです。

僕の小さい頃はファミコン(古いww)を買ってと泣いて親に懇願したものだ。今は子供が仲間外れにされるのはどうかということですぐにゲーム機を買い与える親も多いのではないだろうか。それ以前に親もゲームで育った世代なので、ゲーム機に対するマイナスイメージが少ないというのもある。ゲーム機と並んで親御さんを悩ませるのがスマホだろう。小中学生に買い与えるか微妙なさじ加減が必要だ。ルールを作ってそれができないならNoというべきかもしれない。

ネットによるいじめで家から出られなくなった

相談に来た彼女は、小学生のころからスポーツもでき、勉強も優秀でした。そんな彼女をねたんだだれかが、ふざけてネット上に書き込んだことがきっかけだったのではないかと考えられます。彼女にしてみれば、その書き込みをしたのは、もしかしたら以前から仲のいい友だちなのかもしれないし、隣の席の同級生なのかもしれません。彼女は周りの人たち全員からいじめを受けているように感じられて、とても怖くなったのです。彼女は被害妄想がひどくなり、統合失調症に近い症状を呈していました。いじめによるストレス反応が出ていたのです。受診があと少し遅れていれば、統合失調症になっていたと思われます。そこで、しばらく病院へ入院してもらい、一対一の個人療法を行いました。私は特に、患者の気持ちをくみ取って自尊心を保護し、そのうえで適切な指導や助言をする「支持療法」を中心として彼女の話を聞きました。学校へ行けるようになるにはどうしたらいいかを相談したあと、学校へ行ってみました。もちろん、以前の学校ではありません。今までの学校へはとても通えないということで、転校したのです。学校の前まで行けたら、次は学校の玄関まで行ってみようか、次は保健室まで行ってみよう、でも、教室へはまだ行かなくてもいいよ、というように、段階を踏んで少しずつ家から外へ出て、学校へ行けるようにしていきました。一つのハードルをクリアするたびに、「よく行ったね」とほめてあげることが重要です。 家族は、干渉しすぎない、批判がましいことを言わない、過保護にならないという三点を常に心がけてください。 これは、研究データからも明らかになっています。「優しい無関心」でいることが何よりもたいせつです。

統合失調症の妄想は実際に味わったことがある人にしかわからないくらい壮絶なものだ。自宅に盗聴器が仕掛けられていて常時監視されている感覚があり、外に出ればあとをつけられるストーカー的な輩に出会う。事実と虚構の区別がつかなくなり大変な思いをするのだ。

なぜ人は心が疲れてしまうのか?辛い思いをした時の処方箋となる書籍です。状況によっては専門医の受診も必要だろうと思うので、毛嫌いせずに受診してみてほしい。病気とわかっただけで救われる場合もあるし、薬で症状を緩和させることもできます。