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部下のために3分の時間をとってください。それだけで、すべてが変わります。わが国のコーチング界をリードする第一人者による、誰にでも、今すぐできて、自然に続く、究極の人材マネジメント。3秒間ナレッジ付き!

なぜ期待したとおりに仕事は進まないのか?

アイデアや計画の段階で、それを行う一人ひとりの社員の適性や志向性、感情や欲求がどう働くかについて論じられることはあまりありませんが、実際には、社員一人ひとりには、それぞれ得意不得意があります。さらに、社員は生身の人間ですから、それぞれの持つ 感情や欲求が仕事に大きく影響します。全員に同じ行動を、ロボットのようにつねにむらなく求めることには、もともと無理があります。これらのことは当然わかっているはずです。ところが、計画の段階では、それは排除されてしまうのです。けれども、もし、ほんとうに事業計画どおりに業務を遂行しようとするのなら、業務に関する知識以上に、 人間に対する知識が必要です。人間はどうしたら、アイデアや計画を実行に移せるのか? 社員が、自発的に、喜んで、情熱を傾けて、仕事に取り組んでいくようになるために、何ができるのか?これらについての知恵が求められているのだと思います。それも、人間一般、社員一般、部下一般ではなく、 目の前の自分の一人ひとりの部下についての知識と知恵 が求められているのだと思います。

AIやロボットと違い、人間は個々の能力に違いがあり、日によって感情や意欲もまちまち。社員の適性や志向性にも配慮が必要。そういった意味ではロボットの方が仕事を一定のレベルで保つことができるので良い。しかし、やはり全てをAIやロボットに置き換えるのは現時点では初期投資がかかりすぎるので敬遠するというのもまた一つの考え方だと言える。

相手が知ってほしいと思っていることを知る

わかったつもりのままでいたり、知ることを面倒がったりせずに、ちょっとの隙間時間に、部下について考えることです。電車の中で、コーヒーを飲みながら、散歩しながら、机の前で──部下と実際に話す時間をとるのと同じように、部下について考える時間をとることです。具体的には、部下に関して、二、三のことを自分に問いかけてみます。彼(彼女)は、 ──どういうときにストレスを感じているか? ──どんな価値観を持っているか? ──強みは何か? ──仕事から、お金以外では何を手にしているか?こうした質問をつくり、自分で答えてみます。このプロセスが部下について考えることにつながります。そして、質問に答えられない、知らないということに気づいてはじめて部下に対する興味、関心がわいてきます。 知らないことに気づくことが、次の行動へと人を動機付けます。

部下について部下の目線で考えることは上に立つ者の使命だと言える。仕事を与えるだけでなく、部下について考えてみることは部下の次の行動への指針となる回答を得ることになります。

結果を生む、コミュニケーションの頻度と場面

さて、一般に、わたしたちの業務を妨げる、もしくは、そのスピードを遅らせてしまう要因は、次の五つです。

1 優先順位がわからない、間違っている。

2 スキル不足(実行のためのスキルが足りない)。

3 優柔不断(小さな取捨選択を迷って、なかなか決められない)。

4 不安(失敗や自分に対する評価への恐れから、途中経過の開示が遅れる)。

5 モチベーションの低下(たいていは1〜4の結果として起こる)。

これらのことはみな早めに、上司に相談する、質問する、要望する、つまり、アウトプットすれば解決する問題です。ほとんどは簡単なコミュニケーションで解決することです。ところが、それをしないでひとりでかかえ込んでいたり、いつまでも迷っていたりすると、その間、業務は事実上ストップし、多くの場合、ただ、疲労感・被害者意識がたまっていきます。当然、モチベーションは低下し、その結果、さらにスピードが落ちます。で、遅れや問題が外からもわかる状態になったところで、上司が「おいおい」と声をかけ、時間をかけて軌道修正するということになるわけです。さらにやっかいなことに、これらは、一度解決すればそれですむというものではなくて、たいていの場合、何度も、一定の頻度で起こってきます。

上にあげた五つを常に意識していると部下の状態を把握するのに一役買います。業務を妨げるこれらの要因を注意して見ていれば、問題が発生した時に迅速に対応できます。部下を持ってる人には必須の五項目。早めに部下が上司に相談すれば解決出来るものなので、これらを報告しやすい環境を整えるのも上司の仕事となるでしょう。

コーチングの第一人者が語る誰にでも、今すぐできて、自然に続く究極の人材マネジメント術がここに。一人でも部下を持ったなら読んで見て損はないと思います。たった3分されど3分。