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健康油の情報が錯綜するいま、「良い油」「悪い油」とは、人それぞれ違うのだと足立氏は言います。年齢、性別、体調、病気によって摂るべき油は変わるため、みんなに共通する良し悪しなどないのだ、と。本書は、意外と知られていない油の新常識を伝えるとともに、状況ごとに分類し、個別に摂るべき油を紹介しました。実際の食事に取り入れられる、足立氏考案レシピも収録した一冊です。

日々更新されていく健康情報

現代は、インターネットやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の普及により、さまざまな情報が氾濫しています。特に健康情報については、まったく正反対の意見があふれていたりします。先ほど述べた、「これだけ健康法」のように一つのものを盲信して摂ったり、一方の意見だけを信じることは良くないと思います。健康情報は、直接体の問題に関わりますから、慎重に情報を吟味しなくてはなりません。自分にとって本当に正しい情報を得るのは難しいことですが、たとえば、さまざまな学会のウェブサイトには、きちんと科学的根拠=エビデンスが検証された情報が掲載されています。そのなかには、 信憑性 の度合いや解釈の違いにより対立する情報もありますが、少なくとも、現時点で科学的根拠が確認されている情報が載っていることは確かです。もちろん、臨床試験などで証明されたエビデンスというのは、現時点での根拠であり、その後の試験結果で 覆ることがあるかもしれないということも理解してください。情報はどんどんバージョンアップされます。昨日まで正しかった情報がいきなり覆ることもあるのです。アブラの場合では、リノール酸という脂肪酸がそうでした。コレステロールを下げる植物性の良質なアブラと 喧伝 されていましたが、相次いだ新たな研究報告により、その説が覆りました。昨日までの毒が薬になり、その逆もあり得るのが栄養学や医学の世界です。できるだけ最新の情報を入手し、常に目を光らせて修正していかなくてはなりません。

確かにテレビを見ていてもちょっと前まで良いとされていた健康に良いとされる食品が他の番組ではそれを否定されていると行った場面によく出会う。科学の進歩が著しいのか、今まで不確かなのに声高に叫ばれていたのか微妙だが、最新のエビデンスを参考にしたいです。

アブラは血糖値や中性脂肪値を上げない優れもの

アブラは血糖値や中性脂肪値を上げません。まず、血糖値を上げるのは炭水化物です。脂質は血糖値を上げません。むしろ血糖値を上げないために摂ることが常識です。脂質やたんぱく質とともに炭水化物を摂ると血糖値は上がりにくくなるのです。たとえば、ダイエットだと思ってかけそばや盛りそばを食べるのだったら、天ぷらそばを食べた方が食後の血糖値は上がりにくいのです。天ぷらのアブラといっしょに食べているためです。中性脂肪値も、アブラを摂ると上がると思っている人が多いようですが、中性脂肪値を上げる原因となるのはアルコールと炭水化物(糖質)* です。中性脂肪は、夕食の過食も大敵です。働き盛りの世代の人は、生活習慣としてこの三つが重なりがちだと思います。意識してひかえることが必要です。アメリカ糖尿病学会では、中性脂肪値が高い場合はまずアルコールをひかえ、それが原因でない場合は、炭水化物を減らして、その分アブラを摂るように推奨しています。ただし、肉やバターなどの動物性油脂を過度に摂るのは、心臓疾患、冠動脈疾患の要因になりやすいので良くありません。

天ぷらそばだと天ぷらが血糖値を上げるもんだと思っていました。アブラは血糖値の上昇を緩和させるなんて!?同じく中性脂肪も上昇するのはそばだけ食べる場合だそうです。これには驚き。自分の中の常識は常に疑う意識を持った方がいいですね。

アラ還世代はアブラを多く摂ろう

60 歳を過ぎると炭水化物の摂取比率が増えると言われています。これは、若いときに比べて、アブラの摂取が減るためです。年齢を重ねると、さっぱり、あっさりした味が好みになり、どうしてもアブラを敬遠しがちになります。しかし、その分で糖質を余分に摂ってしまったら意味がありません。先ほども述べたとおり、むしろ、年齢とともに炭水化物の比率を少し減らして、ブドウ糖の代わりにケトン体をつくるアブラの方がおすすめです。ブドウ糖の代わりにケトン体を脳へ送ると、認知症の予防になる可能性があると言われています。 60 歳といっても、昨今では若々しい人が多いですよね。ボディメイクダイエットの「ライザップ」が流行っているように、元気で若く、筋肉をつけてお腹を引き締めて、理想の男性らしい体型でいたい、そんな 60 代男性の皆さんは増えているよう。女性もまだまだきれいですし、若々しくいるための努力を惜しまない方が大勢います。もちろん見た目を気にするということも若々しく健康でいるためにはとても大切なことです。 60 歳を過ぎたら、高齢化とともに多くの方がかかる可能性の高い病気、特に、がんと認知症を少しずつ意識しておくことも大切だと思います。この二つの病気の予備軍である生活習慣病をもっている人は特に注意が必要です。加齢とともに、いかにがんと認知症を先送りにして寿命をまっとうするか、ですね。

60歳すぎたら積極的に油を取った方がいいそうです。あっさりしたものより脂っこいものが好きな僕に取っては朗報。

勘違いされているアブラの常識を覆していきながらその有用性を見直す書籍。人気栄養士が教えてくれる体を守る油の摂り方とは?