book01323
すべてのプレイヤーが負ける必要のないゲームで金を失っている。それをもたらすのは、知識の浅さや経験不足だけではない。感情・心理状態から来る内なる要因は、時に結果を大きく左右する。本書は、そんな心理的側面からとらえた「勝つための思考法」を伝授する。

ポーカーのさまざまな現実を理解し受け入れる

勝者にとっての良い知らせは、十分に長くプレイすれば、運に左右されなくなるということだ。数学者ならば直感的に分かることだが、それほど数学に詳しくない我々は、コイントスを想像するとしよう。個々のコイントスには、表が出る可能性が50パーセント、裏が出る可能性が50パーセントある。コインを10回投げれば、表が5回、裏が5回出ると大体予測される。表が特定の数だけ出る確率は以下のとおり(数値は四捨五入のため概数)。予測したとおり5の確率が一番高く、4と6もかなり確率が高い。しかし、極端な結果になる確率もかなり大きい。表が7回以上出る確率が、約17パーセントもある。しかし、もしコインを100回投げたなら?表が70回以上出る確率(先ほどの比率と一緒)を計算してみると、今度はわずか0.004パーセント(もしくは1パーセントの250分の1)しかない。ランダムなイベントは、回数を重ねるごとに極端な値が出る確率が低くなるのである。この「 大数(たいすう) の法則」と呼ばれる数理は、ポーカーにも重要な影響を及ぼしている。ハンド数を重ねれば重ねるほど、あなたの運が極端に良かったり悪かったりする可能性は低くなる。十分なハンド数をプレイすれば、運の要素は事実上かき消され、実力のみが勝敗を左右するようになるのだ。

ゲーム要素の強い賭け事では運の要素を極限まで減らすことができる。長い時間プレイすれば、実力のみが勝敗を左右する要因に。麻雀でもポーカーでも強い奴が勝つのだ。そうした現実を受け入れて、腕を磨けばコンスタントに勝つことができるようになるだろう。勝負所での勘のようなものも必要だがそれすらも時間が凌駕する。あなたがもしポーカーで儲けたいと思っているのなら長時間プレイして運の要素を排除すること。実力が伴えば常勝間違いなしです。

本能を乗り越える

◎リスクが大好き― リスクを愛する人は、ギャンブルを好む。このような人は期待値がマイナス でないギャンブルには常に乗る。どれだけのオッズが与えられているかによって、またはその人のリスク愛の度合いによっては、マイナスの期待値のギャンブルにも乗る。

◎リスクが大嫌い― リスクが嫌いな人は、ギャンブルを好まない。このような人はけっして期待値がマイナスやゼロのギャンブルには乗らない。場合によっては期待値がプラスでも降りてしまう。

リスクをとることにどのように向き合うかでも勝敗を左右する。適度なギャンブルは必要かもしれないが、期待値があまりにも低いギャンブルはしないに限る。ポーカーは利幅の小さなゲームなので、そこでコンスタントに勝つには自分がどのようなタイプの人間か知る必要がある。

やめどき

「勝っているうちにやめろ」という格言は、誰もがよく耳にし、知っている。ベガスでスロットやブラックジャック、クラップスをする大勢の観光客からこのセリフを聞くだろう。これは実際に、それらのゲームをする人たちにはふさわしいアドバイスだ。期待値がマイナスのゲームで十分長くプレイし続ければ、勝っていたとしてもその分を確実に失う運命にあるからだ。しかし、ポーカーは違う。勝ち組プレイヤーにとっては、ポーカーはいつなんどきテーブルに座っても、期待値がプラスである。一方、負け組プレイヤーにとっては、スロットやブラックジャックをするようなものだ。十分長くプレイすれば、いずれは金を全て失ってしまう。しかしながら、勝ち組にも負け組にも同じ質問が投げかけられる。「いつセッションを終えるべきか?」 セッションを終える最善のタイミングを決めることは、ポーカープレイヤーたちの間でよく議論される話題だ。勝っているうちに、せっかくの儲けを失う可能性が出る前にやめるべきか?逆に、負けているときは、それ以上の負けを抑えるためにやめるべきか?ほかに、セッションを終えるころ合いだと教えてくれるようなサインはないか?ポーカー的見地から言えば、セッションを終えるべき理由は2つしかない。

セッションを終えるべき2つの理由とは、もはや自分の中のベストなプレイをしていない(すなわち、ティルトになっている)場合。あなたはおそらく自分がどれだけ優勢かを過大評価している。そしてもう一つは、あなたは現在のゲームで勝ち目がない(もしくは勝ち目のあるゲームを自分のバンクロール内で見つけることができていない)勝ち目のあるゲームが見つかった時もどってくればいいだけだ。

ポーカーを題材にした賭け事の本。勝ち組ポーカープレーヤーの賭けに対する考え方が学べます。こうした思考習慣は賭け事以外の日常生活でも応用できそう。何かにチャレンジする時思い出してみよう。勝ち目があるのか、それとも引くべきなのかといった問題を解決してくれる書籍です。