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若手ロボット研究者がこれまでのロボットの歴史を振り返りながら、これからのロボット技術の進化を想像し、私達の生活がどのように変化するか、また私達が描くべき未来像のヒントを提示する。ロボットと距離のある人でも、手に取りやすい内容。

遠い未来、人間が丸ごとデジタル化!?

遠い未来、人間が丸ごとデジタル化されてインターネットに溶け込むのなら、ロボットはいらなくなるかもしれません。でも、人間が物理的な身体を手放すのは、数百年か千年か、かなり先になるでしょう。それまでは、人間は寝起きし、食事をし、けがや病気と付き合い、老いるでしょう。全部、物理的な作用です。それを手助けできるのがロボットなのです。

SF映画を見ていると人間はどこに向かっているのだろうと感じる事がある。人間の意識をデジタル化して、インターネット上を縦横無尽に駆け巡る事ができ、そこでの体験はリアルと区別がつかなくなる。そんな時代がやってくるのだろうか。人間の脳の作用を完全に分析できるようになれば、脳そのものをデザインする事だって可能に。何者にもなれる世界がやってくる。そんな未来を体験しようと最近ではVRなんかが人気だ。長時間VRの世界にいると感覚が鈍ってきたり、若干酔ったりする事もあったりするようだが、それでも現実と非現実の狭間を行ったり来たりすることのできる新たなツールであると言える。こうした体験をお金さえあれば体験できる。脳の研究はまだまだわからない事が多いので、これからどのような技術が出てくるか、医療の現場も含めてウォッチしていきたい。

宇宙開発におけるロボットの活用

ロボット研究者としては、ロケットに乗りこむのは人間よりもロボットの方がいいだろうなと思います。やはり、宇宙は危険だからです。あるいは、ロケットがロボットになることです。宇宙ステーションに人間が必要なのは、人間ほどの作業スキルを、現在のどんなヒューマノイドロボットも実現できないからです。そこで、なるべく器用なロボットを送りこんで、地上から人間が遠隔操作しようという試みもはじまっています。ロボットとの通信が途切れたり遅れたりすると困るので、宇宙インターネットの整備も合わせて必要です。宇宙に人間が行くべきかロボットが行くべきか、これは難しい議論です。ただし、合理的な判断と、好奇心は別です。

宇宙という未知の領域に挑みたいと願う人はいつの時代も一定数いる。そんな宇宙への憧れを持った人は大金を払って宇宙旅行でもなんでもすればいい。それによって宇宙開発の資金が集まりより高度な宇宙探索が可能になりいずれは他の星への移住なんかも可能になるだろう。地球にだって寿命があることを考えれば、永続的に人類がいきて行くためにはいずれどこかのタイミングで地球以外に移住する必要が出てくる。それの先駆けとなる研究に投資したくなるのはロマンというものだ。

空飛ぶタクシー危なくないか

さて、空飛ぶタクシーというアイディアにはどう向き合えばよいでしょうか?ヘリコプターに取って代わるような、人が乗れる大型の電動マルチコプターがあちこちで作られはじめました。空飛ぶタクシーを作ろうと思ったら、その基礎技術はすでに整いつつあります。もしも空飛ぶタクシーがパイロット不要の自動運転で運行できるなら、人件費の面で、路線バスや地上タクシーより少し有利です。ただし、自動運転による人件費削減によって、空を飛ぶために余計にかかる燃料代または電気代を補えるかは、不透明です。諸々のコストを考えると、空飛ぶタクシーは庶民の乗り物ではなさそうです。

電車や旅客機のように一度に大量の人間を運ぶことができない空飛ぶタクシーは、まだ現実的に広まるかといったら疑問。それに縦横無尽に空を飛ばれたら墜落の危険性なども考えられ、その際の危険をどう回避するのかも疑問。空飛ぶタクシーが庶民の乗り物でないのなら、それに反発するように騒音や危険性を訴える人が必ず出てくる。セグウェイですら一部地域でしか乗れない現在の日本では浸透するのにはかなりのハードルがありそうだ。

取扱説明書とか読まないよね

新しい機械を使う時、ユーザーが取扱説明書を読んでくれるとは限りません。むしろ、取扱説明書を読むということ自体が時代遅れです。ユーザーに使い方を直感でわからせることが大事です。それには、人間の認知能力にうまく訴えることです。

最近のデジタルデバイスや家電など取扱説明書とか読む人が減っているような気がします。より直感的なユーザーインターフェースを採用しているものが多く出回り、箱から出したらすぐに使い始められるのが当たり前となってきたいます。

これからはロボットといっても鋼鉄の塊だけではなく人間や動物のように柔らかな素材でできたロボットというのも出てくるかもしれない。しかし現段階では人間をロボットに置き換えることは無理とされる作業もたくさんある。近い将来ロボットがどこまで繊細な動きを可能にしていのか?ロボットにできることの限界はどこかを予測をもとに語る書籍です。10年後、20年後にどのくらい実用化されているのかが楽しみとなる未来予想です。