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人間の脳はプラス思考、プラスイメージ、プラス感情になると信じられないほどの力を発揮する。著者の開発したブレイントレーニングの概要を示し、自分の脳に革命をおこす方法を紹介。「誰でも簡単にプラス思考になれる方法」が書かれています。

願望を抱くのがヘタな私たち

この数年で、コンピュータ技術が飛躍的に進歩し、人工知能という新しい言葉まで生まれました。最近は、脳細胞(ニューロン)をモデルにして、人の脳のように自主的に学習し、自動的に進化していくニューロコンピュータという〝人工脳〟の開発を考える学者もいます。一〇年後には人工脳が誕生するだろうと言う人もいるのです。しかしそれでも、脳という生きたコンピュータと、電気仕掛けのコンピュータのあいだには、決定的な違いが存在しています。人間の脳は、機械と違い、自分が抱いた願望を実現しようとして動くということです。ですから、人はみんな夢や願望を持っています。「成功したい」「もっとよくなりたい」「幸せになりたい」と、誰もが感じています。しかし、そういう漠然とした期待や、雲をつかむような願望というのは、絶対に実現しないことになっています。人間の生きたコンピュータは、具体的で、生き生きとしたイメージをインプットされたときに、その実現に向かって全力で動きだすようにできています。

ニューロンの仕組みが完全に解明したら、AIに学習させることで、ニューロンコンピュータと言う人工脳ができるのも時間の問題なのかもしれない。脳死状態になった人の脳を生前にデータをバックアップしておいた人工脳と入れ替えて‥‥なんてことも可能になるかも。もはやそれは人間ではないのではとか思ってしまう。

ビジネスでの成功はスポーツより簡単

スポーツの分野で競技力を高めるには、まずその競技に相応しい体力をつくることが必要です。そのために苦しいトレーニングを積むのですが、一流になった選手というのは、苦しいトレーニングをプラス思考でおこなってきた人たちです。成績が思うように伸びなかったり、ケガをするとマイナス思考に陥ります。それでも常に自分をプラス思考にコントロールしていくことは、極めて困難な脳の作業です。体力が向上しても技術がともなっていなければ、スポーツ選手は成功できません。パワーがあっても、バットにボールが当たらなければ野球選手としては失格です。こうした技術習得を、「体で覚えろ」と言い、地獄の特訓という非効率的な手段でやってきたのが日本のスポーツ界でした。投手が投げたボールを打つのは確かに体です。しかしどう打てばいいかを覚え、それを全身の筋肉に指令を発するのは脳です。詳しく言えば、右脳のイメージ力が働いて、技能記憶として脳に定着されたものを再現しているのです。スポーツの技術も体ではなく、脳が覚えるのです。

スポーツ選手には身体的強さの他に、心理的強さも求められます。体力と技術がプロレベルにあっても、実際に試合でパフォーマンスを発揮できなければダメということに。スポーツ選手が体力と技術、心理面の三つを鍛えなければならないのに対し、ビジネスマンや経営者、受験生は体力も技術も極端に鍛錬する必要なくエリートと呼ばれるようになることだって可能です。

1日2時間の勉強で東大に合格できる理由

東大の合格者には、両親のいずれかが東大出身者であるケースが非常に多いというデータがあります。ここから「頭のよさは遺伝する」という結論を導き出すこともできそうですが、たくさんの受験生を見てきた経験からいうと、東大合格は遺伝的な頭のよし悪しが問題になるほど難しくありません。東大出身の親を持つ東大生がなぜ多いかというと、親と同じ大学に入るのは「難しくない」「当たり前だ」と考えられるからです。さらにそうした家庭は一般に教育熱心です。小学校あたりでは簡単に百点をとり、先生からも「頭のいい子」という目で見られます。教師が「できる」と思い込んだ子は、実際にできるようになるというのが教育学の常識で、これは実験でも確かめられています。クラスの何人かを無作為に選び、その子たちが極めて優秀な生徒であると、あらかじめ教師に伝えておきます。すると知能指数に関係なく、彼らはテストでもいい成績をとり、現実に優秀な生徒になってしまう。教師の態度から、〝おれは頭がいいんだ〟と思い込めば、どんどん成績がアップするということです。

東大合格者の中には親も東大である人間が多い。自分の親が東大に合格できたのだから、自分も東大に合格できて当然と言うマインドが成長過程で醸成されます。これが最高のイメージトレーニングとなっているのです。周りが自分のことを天才扱いすればするほど、俺は頭がいいんだと言う思い込みによってさらに成績がアップするのです。

ブレイントレーニングによって成功する脳を作り出す。ビジネスで、受験で、スポーツで、今、注目の成功者続出のノウハウがここに!ただ闇雲に努力するのではなく、脳を騙し騙し成功をイメージすることで、実際に成功へと導くメソッドです。