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地球、太陽系、銀河系、宇宙の果てまで……天文オタクとしていくつもの情報を収集し、「地球にも寿命があるのか」「宇宙エレベーターが放射性物質の処理を解決?」「ブラックホールのメカニズム」など意外と知られていない話や、「ウルトラマンの生まれ故郷は何処にある?」「アルマゲドンはロケットで回避できるか?」など、宇宙にまつわる雑学を計24話にまとめました。難しい理屈はできるだけ避けて、イメージで理解できるように表現しています。読めば誰かに話したくなったり、子どもにも教えてあげられるネタが満載の1冊!

地球にも寿命があるのか

「人に寿命があるように、地球にも寿命があるのでは」って、考えたことはないでしょうか?私たち人類が住んでいる地球ですから、できれば永遠に存在して欲しいものですよね。しかし、残念ながら 地球にも寿命がある のです。もっとも、何をもって地球の寿命というのでしょうか。生命が絶滅する……  地球自体が消えてなくなる……  とりあえずは、「生命が絶滅することで寿命が尽きる」と考えてみます。ただ、それがいつになるかは遠い未来のことですから、私たちが心配するようなことでもないのですが、どのくらい先になるのか気になりますよね。実はこれ、ある程度は予想されているのです。それは、地球の母親的存在である太陽の運命にかかっているとされています。

太陽の寿命が尽きる前に生命は絶滅すると考えられています。太陽はその質量から寿命が近づくと徐々に膨張して、最後には白色矮星になるとされています。白色矮星とは太陽の8倍以下の質量の恒星が最後に行き着く1つの姿で、核融合反応が終了して余熱で光っている天体です。白色矮星となった太陽もやがて冷えていき、そこが太陽の最後となるわけですが、いずれにしても、太陽の熱により生命は焼き尽くされるので、そこが地球の寿命といってもいいでしょう。

大気圏に突入すると高温になる理由とは

隕石や宇宙船が大気圏に突入して真っ赤に燃えるのを、テレビや映画などで見かけたことがある方もいると思います。それを、よく「空気との摩擦」と表現しますが、私的には子供の頃から不思議に思ってまして……それは、「大気圏に突入する時に燃えるんだったら、ロケットの打ち上げの時にも燃えるはずでは?」という疑問です。これまで何度もテレビでロケットの打ち上げシーンを見てきましたが、一度も真っ赤に燃えて飛んでいくのを見たことがありません。これは一体どうしてなのでしょうか?

●高温になるのは空気との摩擦ではない

多くの方が大気圏の突入で燃える現象を、「空気との摩擦」と認識しているようですが、厳密には「断熱圧縮」 と呼ばれる現象なのです。

【断熱圧縮】空気が高圧になり温度が上昇するという現象を言いますが、これは圧力が高くなると空気中の分子同士が激しく衝突して、その際に発生する熱が引き起こす現象です。家電の冷蔵庫やエアコンに使われている冷却機能も、この断熱圧縮を応用したものです。

大気圏突入すると高温になるというのは、ガンダムを見て学んだという人は多いのではないだろうか。そこで何故なのかと疑問には思わなかったが、こんな理由があったとは。

国際宇宙ステーションはライフルの弾よりも速い

【スペースデブリ】宇宙のゴミで、それは世界の宇宙開発から発生した不用品。ソ連が世界初の人工衛星「スプートニク」を打ち上げて以来、世界各国が次々と人工衛星を打ち上げたために、今では気象衛星や軍事衛星など、地球の周りは人工衛星で溢れています。その数、なんと 3,500個 以上です。これだけなら、まだ問題はありません。問題なのは、人工衛星を打ち上げるために使われたロケットの部品も、地球の周りを周回しているのです。1cm以上の小さな部品からだと、何と 50万個もの大小様々な部品がスペースデブリ(宇宙のゴミ)となって、猛スピードで周回している のです。これに衝突して重大な事故に繋がることもあるので、できれば避けたいものです。スペースデブリが多く周回しているのが、 高度800~850kmに集中 していると言われていますから、それを避けるために高度400kmに決められた要因の1つになります。また、地上からの物資を運ぶ補給船のアクセス も考えられて、高度400kmに決まったそうです。国際宇宙ステーションのライフルを超える猛スピードも、こうした理由で決められたのですね。

高速で動き続ける宇宙ステーションに物資補給船をドッキングさせる作業は高度な技術を要する。そのため宇宙飛行士は特別な訓練を受けるわけだが、流石にライフルより速いってどんだけだよとか思った。

宇宙には未だ解明されていない様々な疑問があるが、知れば知るほど面白い。宇宙に魅せられてその道を志す少年も多いことだろう。大人でも宇宙について想いを馳せるとキリがないのだから。