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読むだけでこころの病が改善する!
自分自身、過敏で内向的な青年期を過ごしてきた精神科医は、みずからが時代を経て語り継がれてきた名言や新聞・雑誌の片隅の記事など、さまざまなことばに励まされ、支えられてきた。その経験から、日々診療に取り入れて、効果を上げている「ことばセラピー」を、さらに厳選して収録。こころが疲れたとき、不安や悩みがふくらむとき、壁にぶつかったとき……113のことばをつかって、自分でカウンセリングできる本。

悩む人は大丈夫

自分はひょっとすると異常ではないかと思っている人がいたら、そう思うことが正常な証拠であることに本書で気がついていただければ幸いだ。 斎藤茂太

悩む人は大丈夫なんだよ。よりよく生きるために悩むのは正常なこと。病識があることは、重大な精神障害ではないことを説いている。僕の場合も、統合失調症を患っているけれども、ある時期から病気と共存することを選び、病気が自分の個性の一つと理解することで症状が和らいでいって少し楽な気分になりました。悩みに悩んで落ち込んでる人の背中をポンと押してくれる名言です。

「どうせダメだろう」からの脱却

求めよ、さらば与えられん。尋ねよ、さらば見出さん。門をたたけ、されば開かれん。 『新約聖書』

行動の大切さは様々な人が述べているので語る気はないが、「どうせダメだろう」と諦めるのはいかに勿体無いことかを気づかせてくれる言葉。ラテが飲みたくて、スタバの前で佇んでいるだけではあったかい飲み物は飲めませんよね。まずは店内に入り注文しなくてはなりません。簡単なことでもアクションを起こさなければ得られるものはほとんどない。飲み物を買うだけのお金がなければ、一生懸命仕事して稼ごうとしますよね。思慮深いことは美徳だが、それだけでは物事を前に進めることはできない。しばらく考えたなと思ったらいざ行動です。

手持ちのカードをどう使う?

人生とはいかに良いカードを手に持つかではなく、手に持ったカードをいかにうまく使うかである。 作者不明

他人との比較で、落ち込むことが多い世の中です。SNSにはキラキラ投稿ばかり連投する友達にうんざりするが、ついついまた見てしまう。特に気分が落ち込んでいるときは自分の持っていないものに目が行きがちで、そればかり数えて憂鬱になってしまう。苦しいときは、自分が持っているものを数えよう。僕は、病気のせいで、免許取り消しになってしまったので、車の運転で何処へでもいけた10年前が懐かしいのですが、車の維持費にお金がかからなくなったおかげで、読書習慣がつき人生を豊かにするために大切なものを得た気がします。今あるものを数えて、それを活用するようにすれば、それなりの幸せを見つけることが可能なのがこの多様性社会です。

人生の分岐点、どちらを選ぶ?

森の分かれ道では人の通らぬ道を選ぼう。すべてが変わる。 ロバート・フロスト

一方は整備された道、もう一方は草の生い茂った道。どちらを進むか?フロストは後者を選んだ。なぜなら、そちらの方が魅力的だから。人生のステージごとの選択も同じで、自分の好きな方を自分で選ぶ。だからこそ結果に責任を持てるのだ。進学、就職、結婚、僕は大学を自分で中退し、転職も自分一人で決めた。なので今の自分の境遇に責任が伴う。いろんな生き方をする人間がいるんだとわかってもらうため、ブログで発信し続けます。

人生の意味はどこにある?

人生の意味は、あなたが自分自身に与えるものだ。 アドラー

アドラー心理学は岸見一郎・古賀史健著『嫌われる勇気』で大ベストセラーになったので読んだ人も多いだろう。あなたが人生の意味をつける。だからこそそこに責任の生じてくる。しかしあなたには自由がある。私の人生には意味がないという人はその人自身が意味付けしなかっただけ。軌道修正ができる若いうちのこの言葉を聞けば大きな力になるだろう。

Noをいってくれる人の大切さ

自分が正しいと思うことを「それは違う」と言ってくれたら、しめたもの。あなたの行き先の軌道修正をしてくれる、大切なブレーンになるはずです。 さとうやすゆき

職場の仲間と意見が合わない、波長がズレていて仕事がしづらいなどといったことに悩み、精神科で受診したところ医学的には適応障害という結果になる場合。そんな時に覚えていて欲しいのは、夢を叶えている人の共通点。それは付き合う仲間が、バリエーションに富んでいること。一つのゴールに向かい結束する際は、同じような考えを持った人間を集めるより、多様性を重視した方がゴールにより早く行き着く確率が高い。得意分野も意見もばらばら、そんなプロジェクトがたくさん話し合ってなんども検討を重ねることで、結果的にのく表を達成するための力になるのです。間違った方向に進みかけた時Noといってくれる人は貴重です。

精神科医が使っている「ことば」セラピー。あなたの背中を押してくれる名言や、苦言を呈してくれる言葉まで様々な名言が精神科目線でセレクトされており、心に病を持った人たちのバイブルとなること間違いなし。読むだけで心のつっかかりが取れる心の薬のような本です。