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無駄をなくせば仕事は10分
LINE C Channel など、スピードで会社を成長させる森川社長の速さの秘密。「仕事が終わらない」「常に仕事が山積みになっている」ビジネスパーソンのための本とします。著者ベストセラーの『シンプルに考える』の実践編。

会議を10分で終わらせるために

結論からいって、10分で終わらせるのは簡単です。事前に、議題を振っておいてそれについて考えてきてもらい、その場では、それぞれ意見を聞き、多数決をとっておしまい。10分程度で終わります。いわれてみれば、簡単なことではないでしょうか。ここで私が会議を早く終わらせるために意識していることを紹介します。

10分で終わらせる前提で考える

多くの方は「会議=1時間単位」という固定観念を持っています。ただこれだと、1時間という「箱」にいろいろなアジェンダを突っ込んで、その中の1つでも前に進めばいいといった感覚に陥りやすいのです。しかも、わざわざ会議の場で時間を割かなくてもいい情報共有の話が混在してきたり、話好きのメンバーが30分くらい独演会をしたりと、とてつもないムダが生まれます。アウトプットありきで考えましょう。

アウトプットを事前に参加者に共有する

会議に挑む段階で、メンバーにその会議で何をしなくてはいけないかというゴールが共有できていないと、参加者の思考をフォーカスさせることができません。メールなどで事前に伝えておきましょう。

そのほかにも何かを決める際には、先に選択肢を送っておいて、その3つないし5つの選択肢に対し多数決で決める仕組みを作っておけば、物事が早く決まる。アイデアはその場で考えず、事前に考えてきてもらう。「次回までに〇〇さんが裏付けデータを用意する」「現場レベルでは判断がつかないので上に一旦あげる」など結論を必ず出す。会議の目的を1つとし、情報共有をしつつ、顔合わせも兼ねつつ、ブレストもしつつ何かを決めようなどという参加者の目的がマチマチな会議にならないよう配慮する。決めることが複数あるなら、1つずつ確定させ、全員賛成を目指さないなど、会議を10分で終わらせるために必要なポイントが詳しく書かれている。

そもそもその会議は必要か?情報共有だけならメールやクラウドを使えばいいし、親睦を深めたいならチームでランチやディナーに行くなど会議にこだわる必要は全くありません。会社によっては進捗を聞くだけの会議を行うところもありますが、それこそクラウドで共有すれば集まる必要はありません。いかにあなたの会社の会議を変えていけばいいかがポイントごとに書かれており会議が多い(長い)会社は参考にするといいだろう。

メールをできるだけ簡潔に書く

メールが長い人は、どのようなメールを書いても、いつも長いものです(こういう人はチャットでも長文を書いてきます‥‥)。メールが長くなる人は2種類いて「話をうまく整理できない人」か「極端に丁寧な人」に分けられます。前者の場合は「相手がメールを開いてから3秒以内に結論が伝わるか」と意識をしてみてはどうでしょうか。イエスかノーを伝えるのに15分くらいかけて長々とメールを書く必要はありません。

後者の「極端に丁寧な人」の場合、相手がマナーを重んじる高齢者でもない限り過度に丁寧なメールを書く行為は、むしろ「仕事が遅い人」「昭和の感覚の人」というレッテルを貼られる可能性も。省略文化が浸透している現代ではこれは無駄でしかありません。丁寧さを重視するならいかに速く簡潔に返信するかを意識したほうがいいかもしれません。僕の場合SNSのコメントなんかでも返信はなるべくするように心がけていますが、相手の熱量と同じくらいの分量で返信するようにしています。ありきたりな挨拶的なメッセージに対しては、こちらも定型文的な数秒で返信できる分量で。

TODOリスト

さて、皆さんのTODOリストは、どんな形になっていますか?

□プレゼン資料を作る

□販促プランを練る

などとなっていないでしょうか?仕事をためたくないなら、TODOリストは10分ごと。

□プレゼンの構成を作る(10分)

□必要なデータを用意する(10分)

□各ページにキーワードと、必要なデータを貼る(10分)

といった形で考えるとよいと思います。すると、今何をすべきかがわかりますので、すぐとりかかれます。また、10分なので、スピードに乗って次々と片づけていけます。

まずはいつもの仕事を「ジョブ(頭を使わないとできない仕事)」と「タスク(頭を使わずにできる仕事)」に分けて、全ての仕事をできるだけ「10分で終わるTODO」で考えるようにしていきます。それぞれのタスクを10分にまで分解することで日中のちょっとした空き時間にもタスクをこなすことができるようになります。

全ての仕事は10分で終わる。それは事前のアクションで、会議を10分まで短縮したり、仕事をTODOリストに追加する際、10分の細切れになるよう調整しマルチタスクで行えるよう配慮したりする仕事術。決して大きなプロジェクトが10分で片付くといった魔法のような話ではなく、現実的に可能な実践的なものです。