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雇用も不安。年金も不安。長生きすることも不安。不安だらけの日本です。「貯蓄から投資」へと号令をかけられてはいるものの、生活者の多くはまだまだ動けずにいます。あなたもその1人ではないでしょうか。投資と聞くと、「お金に余裕がある人のもの」「怖いもの」「難しいもの」とイメージしてしまう人が多いのではないかと思います。しかし、それらは全て誤解です。本書で紹介されている「長期積み立て投資」なら、たった数千円からだって始められます。ガツガツとした勉強もいりません。手に汗かかず、楽しさや充実感を味わえます。まさに「らくちん」な投資なのです。

持っている時間を生かし、長期投資を

「65歳までに老後資金を」というとき、その先の人生がどれくらいあるとイメージしているでしょうか。皆さんは、考えたことはありますか?「70歳くらいかな」「せいぜい80歳では」などと想像する人が多いかもしれませんが、人生がいつまで続くのかは誰にもわかりません。日本は「人生100年時代」を迎えており、90歳、100歳まで元気な高齢者はまったく珍しくないのです。そう考えてみると、現在65歳の方も、まだまだ人生の先は長いのですから、お金を現預金にして握りしめているのはもったいないことです。持っている時間を生かし、長期投資を始めるのに躊躇する必要はどこにもありません。

要は溜め込んでいる高齢者から投資資金を預かりたい証券会社寄りの理論だ。「溜め込んでないで投資しませんか?今持っているお金を増やせる可能性がありますよ。」ということだ。僕もこの間、預金してから、一切動かしていない定期預金を投資に回さないかという、お誘い?があった。投資信託や株式投資を進めてくるアレだ。でも少しでもリスクがあるなら、やめておきたい超草食系な僕は、それを無視。保険商品のしょぼい金利だが5年置いとけば、元本保証となりその後は複利で利息もつくものだけでいいやと思った。

インディックス運用

私がインディックス運用の有効性を知ったきっかけは、ある1冊の本との出合いでした。米国運用業界では著名なチャールズ・エリスの著書『敗者のゲーム』(日本経済新聞社)です。この本は個人投資家向けの古典的名著で、インディックス運用の優位性を説いています。「いかに勝つか」を競うのではなく、「いかにミスをなくし、負けないか」を争うのが株式市場であると論じています。

インディックス運用か、アクティブ運用かという議論は昔からあるがそれぞれのメリット、デメリットを記しておく。

アクティブ運用:メリットは超過収益を期待できる。銘柄を選ぶ楽しみがある。一方、デメリットはインディックス運用よりコストがかかる。市場平均を下回る可能性がある。

インディックス運用:メリットはコストが安く、平均的リターンを確実に得られる。一方デメリットは他人に勝つ優越感は味わえない。ユニークな商品・銘柄に出合う楽しみがない。

利益の伸びる会社が株価の伸びる会社

長期的に利益を上げ続けられる会社というのは、正しい方法で、適切な価格で、魅力的な商品、サービスを提供し続けている会社です。そして、消費者や社会の期待に答え続ける企業に投資するということは、日本を、世界を元気にするための貢献活動でもあるのです。この「社会貢献をしているのだ」という視点は、長期投資の軸をブラさないためにも重要だと考えています。

投資先の選び方も様々だが、ここでは「利益」に着目している。人気は短期的に上下しますが、いずれ株価は利益成長に収斂していくからです。その会社が将来有望かどうかは、消費者が鍵を握っている。日本人は「世界一の消費者」と言われるほど見極める力を持っています。食べ物、洋服、家電などを買うときも、機能、品質、価格など非常によく吟味をしているはず。実際に良い選択をしている人は、その選択眼を、株式投資の企業選びにも活かせば良い。

いつ買うのか、いつ売るのかはシンプルの考える

次に、買い時、売り時についてです。米国にウォーレン・バフェットという偉大な長期投資家がいます。彼の言葉は大きなヒントとなるはずです。「底値で買わなければならない、ということではありません。その企業が持っていると自分が考える価値より安いこと、そして正直で有能な人々によって経営されていることがポイントです。逆に言えば、株価がその企業の価値よりも安く、しっかりと下経営陣であると確信できるのであれば、そこで利益を生むことができるのです」

株を買った後の売り時がわからないといった声はよく聞かれます。答えは単純、「今も買いたい銘柄であるか否か」。業種や財務内容に比べて株価は割安か?今後の成長に期待できるか?業種や会社のことがよく理解できるか?その銘柄の株主であることに誇りを持てるか?今一度、問うてみるのです。

株式や投資信託を長期的に運用し、毎月積み立てて投資することによって価格のばらつきを平均化するその手法は草食系投資家と呼べるだろう。しかし、それを上回るぐらいチキンな僕にはやはり無縁な世界であることは読んでみてわかった。