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ネガティブな性格で生きづらい、自分を“ダメ人間"と思ってしまう、コミュニケーションのとり方がわからない、そもそも人づきあいがニガテ、ネガティブな人を引き寄せてしまう、人に振り回されることが多くて疲れる……etc。そんな人生をラクにするコツは、「当たり前の気持ち」を受け入れて、自分を認めること。そのヒケツは、対人関係の「ズレ」と「役割期待」にあり。

対人関係療法って?

対人関係療法は、1960年代末から米国で開発された精神療法です。現在では日本を含め世界中に急速に普及しつつあります。それだけ多くの国で取り入れられ効果をあげているのは、この治療法が、人類にとって普遍的な部分に働きかけるものだからでないかと考えられています。その「普遍的な部分」とは、人間は身近な人間関係によって大きな影響を受けているということです。自分がどんな人間であるかという感覚は、身近な人間関係の中で養われます。人間関係がうまくいっていると自己肯定感が高まりますし、人間関係に行きづまると自分はだめな人間だと思うものです。

僕の場合、統合失調症だが、精神疾患の多くは病気そのものが身近な対人関係に大きな影響を与える。精神疾患とわかると多くの人は敬遠し去っていくし、自分自身でもそれに拍車をかけるよう理解が薄い他人をシャットアウトしてしまうことがある。対人関係療法では、「対人関係から受けるストレスを減じ、対人関係から得る力を増す」という方向で解決を試みる。唯一の難点は保険適用外ということ。これでは僕はこの治療を受けられない。心理のカウンセリングと同じで金持ちだけの治療方法ということか。精神疾患においては情報弱者と貧乏人は医療の枠組みの外側の存在となることが多い。街に出てみると、あぁ、この人精神疾患だけど治療を受けていないんだなとわかる人に遭遇することがある。中には 精神科を受診したら、即入院だろというほど症状が重い人も。障害者と認められれば障害年金もおりるので、治療を受けられるのに‥‥情報が少ないということはこうも格差を生むものかと思うことがある。

「それでいい。」と自分を認める

育った環境とは別に、生まれつき不安が強い人もいれば、生まれつき「空気を読むのが苦手」な人もいます。そういう人たちに、「不安になるのをやめなさい」「空気を読みなさい」と言っても、犬に木をのぼれと言っているようなものです。「今は、これでよい」というのは怠け心につながると思うでしょうか?しかし、人間の変化は、現状の肯定からしかありえないのです。今の自分を否定し続けていると、地に足の着いた変化など起こせないのです。

病気だからと言って引きこもってばかりだと余計ふさぎ込むことに。僕は自分に軽い負荷をかけるため週二回、早朝の人が少ない時間帯にカフェで朝食を摂りながら読書をするというミッションを課しています。昼間の人の多い時間帯だと絶対無理だけど朝一なら少し我慢すれば大丈夫。朝食にスイーツを追加して飲み物と一緒に注文。オーダーする内容はアワアワしないために事前に決めておきます。これを2年以上日課にして少しは慣れてきたけど、やっぱりたまに学生のグループ客やカップルなどの天敵(大声で喋ったりする人)が来ると居づらいです。客の少ない時間帯に来店し金を落としていく客という自己肯定感で今まで続けて来れたのだと思います。「それでいい。」と自分を認めることは対人関係がうまくいかないと感じている人たちにとって大事だと思います。

周りを優秀でカンペキと思い込まない

自己肯定感が低い人(=ネガティブ思考の人)は、「自分だけがダメだ」という気持ちが強いので、「自分以外の人にも、ダメなところがあるかもしれない」と思いにくいのです。自己肯定感が低い人の中にも、他人に対して批判的な目を持つ人はいます。でもそれは、「本来『完璧』であるはずなのに、どうしてこの程度のこともできないの?」という性質であることが多いのです。「人間だから、完璧にはできないよね」という共感的な感覚を持てない背景には、「自分だけがダメだ」という感覚があるのです。しかし、実際には、人間に「完璧」はないのです。

僕は、病気によりなんども転職に失敗して現在無職です。自動車免許も取り消しになってしまったので、身分証明の際には家族の扶養下である健康保険証を提示しなくてはならずこれがなんとも言えぬ敗北感を味わうことに。ネットでは事足りない場合、平日の昼間に外出することもごく稀にあるのですが、働いている人に引け目を感じながら下を向きながら歩きます。カフェに入っても、パソコンで仕事をしている人や勉強しているの学生を見ると、同じくMacBookProを開いていてもやっていることがブログ書いたりSNSやfeedlyのチェックだとなんだかレベルが低い気が。なので最近は、パソコンで仕事をしている風な人、勉強をしているポーズをとる学生と思うようにしています。実際、「出先でパソコンでできる機密性の低い仕事なんて大したことないんだ」「勉強なら家の方が捗る」と思うことで引け目を感じることはなくなりました。カフェで仕事や勉強をするのは一種のポーズだと思えば自分とそう変わりないと思えます。

対人関係で悩みを持つ人たち(それが病気まで行かなくても)にとっての処方箋となる書籍。読むとあるあると頷きたくなること請け合い。漫画とコラムで気張らずに読める作りとなっているので、多くの人に読んでほしいです。