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成功を収めてきた人たちの中には、変わった習慣を持つ人々もいる。例えば、アップルの故スティーブ・ジョブズや、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグがいつも同じ服をきているのは何故なのか?仕事で成功を収めた人たちは、何故皆早起きなのか?成功したいまでも危険な冒険を続けるのはどうしてなのか?そんな疑問に答えるべく取材した書籍。

読書の「活かし方」を知っている

多くの著名事業家が毎日行っている習慣の一つとしてあげられるのが、読書だ。有名な投資家ウォーレン・バフェットは、毎日5紙の新聞と500ページに及ぶ企業報告書を5〜6時間かけて目を通しているという。フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグは2週に1冊のペースで本を読み、マイクロソフトのビル・ゲイツは年間最低50冊は読破すると言われている。彼らは、毎日最低でも1時間は読書の時間にあてているというのだ。

いきなり1日1冊ペースで本を読むのは結構難儀だが、マーク・ザッカーバーグのように2週に1冊のペースなら簡単に始められるだろう。僕の場合最初は週1冊ぐらい読めればいいかなというところから始めた。今では、様々な知識を吸収することが楽しくなり、1日1冊ペースを年間通して守っている。多くの著名事業家たちが本を読んで知識を得ようとするのは、ノウハウやスキルを身につけることの重要性を理解しているから。新しい戦略を練るのと同様、読書も大切な仕事となっているのだ。読書を習慣として続けるためのコツは最後まで読み通すことにこだわらないこと。「今の自分には難しい」「役に立たない」「面白くない」と感じたらさっさと読むのをやめる。タイミングやフィーリングが合わないことだって多くあるのでそれを気にしないことだ。

「やらないこと」を見きわめる

デキるビジネスパーソンが多忙を人に感じさせないのは、仕事に優先順位をつけて整理しているからだ。そのうえで、人に任せていいものは人に任せ、自分は事後チェックで済ませる。できない人は、なんでも抱え込んでしまってパニックになり、結局どれも中途半端な結果にしかならないのである。

仕事に優先順位をつけるだけでも効率は飛躍的に上がる。自分じゃなきゃダメな仕事以外は部下に任せる。そうすることで部下の教育にもつながり、組織として結果が出せるようになる。僕はこの人に任せるというのがどうも苦手な〝できない人〟だ。なんでも自分でやるのだが、できないことも多い。そこで立ち往生してしまうのだ。「やらないこと」を見きわめるのも大事だが「できないこと」を「できること」に変えていく努力と教えを乞うことができる指南役を見つけることも大事だと感じる。

「1日の行動計画」を朝に立てるだけで、生産性がガラリと変わる

外資系証券会社に勤めるC氏の起床時間は、早朝4時である。「うちは朝7時からミーティングが始まりますから6時には出社。必然的に早起きせざるを得ません。まあ都心のマンションに暮らしていますので、通勤に時間は取られません。家を出る5時過ぎまでは、野菜ジュースとトーストなどの軽い朝食を食べながら、タブレットでその日のスケジュールを確認します。そして、やらなければならないことをイメージして行動計画を立てます。家を出る頃には、その日1日すべきことがクリアになっていますから、あとはそれを全力で消化していくだけです」

僕の場合は、行動の全てをあらかじめ前日以前に決めてしまっている。「今日はどの本を読もうか?」「外出時の服装は?」「カフェで何を注文するか?」まで仔細に決めている。そうすることで、当日、思わぬハプニングが起きてもこういったことに頭を使わなくて済むからだ。スティーブ・ジョブズがイッセイミヤケに黒いタートルネックを100着発注し普段の着ていく洋服を決める作業をすっ飛ばしたのと似ている。同様にフェイスブックのマーク・ザッカーバーグも同じTシャツを20枚持っていてそれを着まわしているという。でもそれではつまらないので、あらかじめ決められたコーデで1週間を乗り切るようにしている。

なぜ、ファーストクラスのチケットに激怒したのか?

日本から韓国へ飛ぶ飛行機のチケットを古川氏から手渡されたゲイツ氏は、それを見て激怒した。ファーストクラスのチケットだったからである。「たかだか1時間のフライトにファーストチケットを購入するなんて、ムダなことはするな」またあるときは、京都までの新幹線の代金を会社で立て替えておくと言うと、烈火のごとく怒り出したという。「個人の旅行なのに、なぜ会社が建て替えるのか?そんなことをやり出したら、社員が個人旅行の費用を会社につけ回すようになる」というのである。

ビルゲイツはムダな出費を嫌い、公私混同も許さなかった。大富豪だけにプライベートジェットは持っているが仕事以外で使うときは燃料代は自腹だそうだ。現在では日本でもこのような考え方が当たり前となってきている。古い考え方で過剰な接待や奥さんとの旅行代を会社につけ回す輩は退場していっている。

他にもカリスマ経営者と呼ばれる人たちの好ましい習慣がいくつも載っていて、新たに新習慣を身に付けたいと思っている人にはうってつけの内容となっている。