book00233

日本の歴史にはエロが溢れている。国が生まれたのは神様の性交の結果で、そしてそれは後背位だった。この後背位という言葉は江戸時代のエロ文化の社会では「後ろ取り」と呼ばれ市民権を得ていた。また「後ろ取り」は源平合戦で、義経がわずか70騎の兵と共に平家が陣取る一の谷の裏からせめて敗走させたのになぞらえ「一の谷」とも呼ばれた。こんな豆知識が学べる日本エロ通史。

『日本書紀』はエッチで『古事記』は上品

たとえば『日本書紀』には、「(天照大神の命を受けた)天細女命は自分の胸乳を露わにし、裳のヒモをへその下に押し垂らして、大笑いしながらその神に向かい合った」とある。つまり乳房を露出し、女性器の前をひらひらさせながら相手に近づいたというわけである。一方『古事記』の場合、「お前はか弱い女だとはいえ、敵対する神に面と向かってにらみ勝つ神である」と天照大神が天細女命に命令する件だけ記されている。

こんな痴女が向かってきたらある意味ビビるよな普通の男は、大笑いしながらなんてかなり狂ってる。同じ記述でも書物によって表現が違うのは面白い。

京都じゅうに陰部丸出しのお地蔵さんが

「天つ神」の国に属する天細女命が、「国つ神」(地方)の国の猿田彦命と結ばれ2人が挙式を行った荒立神社は今でも国際結婚がうまくいくというご利益で知られている。天細女命と猿田彦命のカップルは身分を超えた愛の象徴、男女の和合のシンボルとして歓迎されることに。それを形にしたものが「道祖神」である。「道祖神」とは道路沿いに置かれている石像で、本来男根形の石像だが、平安時代以降、お地蔵さんの形をしたものに変わっていった。それには2種類あり、1人のお地蔵さんを彫った「単体地蔵」と男女2人が彫られた「双体地蔵」があり、後者が天細女命と猿田彦命のカップルをモデルにしたものと伝えられている。

神社は女性器あるいは子宮

神社には鳥居がつきものであるが、鳥居はなぜあんな形をしているのか?一説には鳥居の形は、女性が男を迎え入れるために股間を開いている形だという説があるそうだ。上部に神社名があるところは、女性の敏感なところだとも言われている。そこを身を清めた男性が行き来するのは、男女のセックスを意味しているという。境内に男性の性器をかたどったものがあったり、2つに分かれた樹の股を大切に扱ったりするのもそのためだという。

鳥居を女性器に見立てる考え方は出羽三山の修験道の中に、今でも生きているという。修行のため羽黒山へ籠る前日、修験者は笈(仏具・衣類・食器などを入れて背負う籠)の前に小形の鳥居を置く。これは女性器が陰部を開いた形で、修験者は印を結んで仏の加護を祈念し、ア・ウンの声とともに体を鳥居の前に投げ出す。これは男性が性交により女性の体内に射精したことを表し、ア・ウンの声は快楽の叫びなのだという。

女性用おもちゃは奈良時代からある

水牛の角は売り側が空洞になっており、そこにお湯につけた綿を入れると、べっ甲や象牙細工のように柔らかくなって、ちょうど勃起したペニス並みになるという。

これが奈良時代の女性用おもちゃ。その他にも称徳天皇は道鏡の陰(ペニス)では物足りなくなり、ヤマイモを用いて陰茎の形を作りこれを用いたところ折れて中に詰まり大変なことになったとか。

絶倫で財政難を招いた嵯峨天皇

桓武天皇の治世に新設された「女御」という身分だけでは足らず、さらに下の階層出身の女性が「更衣」という名称で呼ばれることになった。江戸時代にも第11代将軍徳川家斉のように、側室40人に、生ませた子供が55人という例があるが、800年代頃の嵯峨天皇の時代と、1800年代初めの家斉将軍の時代では社会の生産力が違っていた。

子供の養育費や婿養子先、嫁入り先を見つけるための莫大な費用で財政難となった家斉将軍。嵯峨天皇のときはもっと深刻だったという。天皇自ら「男女やや多く、空しく府庫を費やす」と後悔したほどだった。

新たなサービスガール・湯女

性風俗の面でも画期的な出来事が起こった。摂津国有馬温泉(現神戸・有馬温泉)に「湯女」という新しいサービスガールが登場したのである。湯女はその後の銭湯の歴史を大きく変えた存在であり、同時に性風俗を一変させた遊女であった。

1191年頃から新たなサービスガールとして湯女が生まれた。湯女には大湯女、小湯女の区別があり、小湯女は13、4歳〜17、8歳の子を呼んだという。遊女の役目を果たすのは小湯女の20人で、大湯女は共同浴場で客の世話をする傍ら、トラブルが起きた際のなだめ役とされていた。今でいう中・高生の売春だがこの頃はまだ合法的だったのだろうか。

後半は「セックスで悟りを開く」「太夫の客に有りがちな下半身の悩み」「江戸の秘具は百花繚乱」「秘密厳守の通信販売まであった」「『五箇条の御誓文』はフリーセックスのすすめ?」など読んで笑えるエロ話満載。暇つぶしにどうぞ。